水やり

乾いたらやる、たっぷりかける、規則正しく与えるの三つが基本

盆栽界ではよく「水やり三年」という言葉が出てきます。水やりをマスターするのには三年くらいかかる。それほど水やりはむずかしいものだ。というわけです。確かに水やりの仕方ひとつで樹が元気に育つこともあれば、しおれて枯れてしまうこともあるわけですから、重要視して当然でしょう。中には「とんでもない! 水やり一生だ」という人もいるくらい奥深いものです。
以前、これから盆栽をはじめようかという人に、「水は毎日やらないといけないのですか?」とたずねられてビックリした経験があります。盆栽に慣れ親しんでいる者にとって毎日の水やりは至極当然のものですが、盆栽を育てたことのない人にとっては、かなり面倒くさいことのように思えたのでしょう。正しくは「毎日、水の乾き具合を確認する」ことが必要で、その時に乾いていればもちろん水をやります。
乾き具合は鉢土の色で確認します。鉢土の表面が白っぽくなってきたら乾いているサインですから水をやらなければなりません。とはいえ、四六時中鉢土の色を眺めていることもできませんから、毎日決まった時間に水をやり、夕方にもう一度確認して、乾いていればまた水をかけます。
こうして規則正しく水やりを続けていれば、不思議なことに樹のほうでそのテンポに慣れてくれるようになります。また、いつもなら夕方に乾いているはずの樹が今日は乾いていないということから、樹の体調不良を知ることもできます。異常を早期に発見するためにも、水やりに習慣性が求められます。
一回の水やりでは、鉢底の穴から水が流れ出るくらいにたっぷりと水を与えます。中途半端な量では、鉢土の中にまんべんなく水が行き届かないため、部分的な水切れを引き起こしてしまいます。
水をかけるときには、ジョウロでもホースでもかまいませんが、なるべく目の細かな蓮口を選び、低い水圧でやさしくかけます。勢いよくかけると鉢土の表面が掘り起こされたり、跳ね返った土が葉の裏を汚したりしてしまいます。

「返し水(かえしみず)」「拾い水(ひろいみず)」 「葉水(はみず)」を活用しよう!

根は水を吸収するとともに呼吸もしています。ですから鉢の中にも新鮮な空気が必要です。用土には大きな隙間と小さな隙間があります。水やりをすると、大きな隙間を通った水は流れ落ちて鉢の底にたまり、鉢穴から抜け出ていきます。この時、大きな隙間にあった古い空気が水に押し出され、新しい空気が流れ込みます。
小さい方の隙間には毛細管現象で水が残ります。樹の根はこの残った水を吸収するわけです。
さっと軽く水をかけただけでは、土の中の空気は新しくなりません。また、用土の表面しか湿らず、中のほうは乾いたままになってしまいます。そのため、一度水やりでたっぷり水をかけ、空気を更新し、鉢土の中心部まで水が届くようにするのです。
ところで、液体というものは通りやすい道ばかりを選んで通る性質があります。たとえば鉢壁の際や、土の大きな隙間ばかりに水が通り、中の方までなかなか浸透しない場合があります。
そうした状態を防ぐために「返し水」や「拾い水」をします。これはいったん十分に水をかけてからもう一度さらに水をかける作業で、軽く浸透した上にさらに追い打ちをかけることで内部まで水を届かせようとするものです。
置き場の端から順番に水をかけ、反対側の端までいったらもう一度折り返してくるのを「返し水」といい、ひと通り水をかけてから、吸収の早い鉢だけ追い水を与えることを「拾い水」といいます。「返し水」も「拾い水」も結局は水の届きにくい鉢土の中央部、根鉢と呼ばれる幹の真下の古い土の層まで水を染み通らせるための作業です。
植え替え直後など、まだ十分に根が発達していない樹の場合は「葉水」が効果的です。これは鉢土ではなく葉をめがけて水をかける方法で、葉の裏側にある気孔から水分を吸収させることができます。同時に葉の汚れを落とすこともできるので、植え替え直後の樹だけではなく、全ての樹に時々は葉水を与えてやりましょう。
鉢土の乾く速度は、気候や天気、季節、鉢の大きさ、用土の種類など、いろいろな要因によって異なります。その時に最適な水やりができればそれにこしたことはありませんが、会社勤めなどの時間の制約があって盆栽屋さんのようなこまめな水管理ができません。
幸い、樹には環境に適合していく能力があるので、しばらくすればあなたの潅水サイクルに自然となじんでくれます。それまで、樹の状態を注意深く観察しながら、棚場の環境やあなたの自由になる時間などを考え合わせ、用土の配合や鉢の大きさを試行錯誤して、自分流の水管理方法を見つけてください。

季節ごとの水やり回数のちがい

根は水を吸収するとともに呼吸もしています。ですから鉢の中にも新鮮な空気が必要です。用土には大きな隙間と小さな隙間があります。水やりをすると、大きな隙間を通った水は流れ落ちて鉢の底にたまり、鉢穴から抜け出ていきます。この時、大きな隙間にあった古い空気が水に押し出され、新しい空気が流れ込みます。
小さい方の隙間には毛細管現象で水が残ります。樹の根はこの残った水を吸収するわけです。
さっと軽く水をかけただけでは、土の中の空気は新しくなりません。また、用土の表面しか湿らず、中のほうは乾いたままになってしまいます。そのため、一度水やりでたっぷり水をかけ、空気を更新し、鉢土の中心部まで水が届くようにするのです。
ところで、液体というものは通りやすい道ばかりを選んで通る性質があります。たとえば鉢壁の際や、土の大きな隙間ばかりに水が通り、中の方までなかなか浸透しない場合があります。
そうした状態を防ぐために「返し水」や「拾い水」をします。これはいったん十分に水をかけてからもう一度さらに水をかける作業で、軽く浸透した上にさらに追い打ちをかけることで内部まで水を届かせようとするものです。
置き場の端から順番に水をかけ、反対側の端までいったらもう一度折り返してくるのを「返し水」といい、ひと通り水をかけてから、吸収の早い鉢だけ追い水を与えることを「拾い水」といいます。「返し水」も「拾い水」も結局は水の届きにくい鉢土の中央部、根鉢と呼ばれる幹の真下の古い土の層まで水を染み通らせるための作業です。
植え替え直後など、まだ十分に根が発達していない樹の場合は「葉水」が効果的です。これは鉢土ではなく葉をめがけて水をかける方法で、葉の裏側にある気孔から水分を吸収させることができます。同時に葉の汚れを落とすこともできるので、植え替え直後の樹だけではなく、全ての樹に時々は葉水を与えてやりましょう。
鉢土の乾く速度は、気候や天気、季節、鉢の大きさ、用土の種類など、いろいろな要因によって異なります。その時に最適な水やりができればそれにこしたことはありませんが、会社勤めなどの時間の制約があって盆栽屋さんのようなこまめな水管理ができません。
幸い、樹には環境に適合していく能力があるので、しばらくすればあなたの潅水サイクルに自然となじんでくれます。それまで、樹の状態を注意深く観察しながら、棚場の環境やあなたの自由になる時間などを考え合わせ、用土の配合や鉢の大きさを試行錯誤して、自分流の水管理方法を見つけてください。

季節ごとの水やり回数のちがい

※あくまでも目安です。実際には気候や置場環境、樹の状態などによって異なってきます。

 


1~2回
新芽が伸びて葉が開くと同時に蒸散量が急速に高まります。やわらかな新芽はほとんど水分でできていると思って間違いありません。ですから水切れさせるとすぐ症状が現れます。
この季節は毎朝1回、たっぷり水をかけることを基準にして、夕方、乾きの良い鉢だけもう一度水をかけてやります。夕方には、乾きの遅い鉢にも葉水をやって新芽の生長を促しましょう。

2~3回
梅雨の時期でも毎朝の水やりは欠かせません。そのうち乾燥の遅い鉢がわかってくるので、それらは雨に当てないようにしたり、鉢を傾けて排水を良くする工夫をします。
真夏には乾燥が早くなるので、できれば1日3回の水やりが理想的です。朝夕の2回しか水やりできない場合は、寒冷紗を張って西日を防いだり、鉢ごと土に埋めたりして水切れを防ぎます。

1~2回
9月下旬頃までは真夏の管理とあまり変わりません。でも10月に入るとだんだん乾きが遅くなってきます。そうなれば1日2回の水やりで十分です。
やがて紅葉し、落葉しはじめると吸水量が減少しますから、朝の水やりだけで事足りるようになってきます。

1~4日
に1回
休眠期に入るので吸水量は激減します。しかし乾いた北風が吹くと鉢土は意外に乾燥します。そのため、屋外に置いた樹はやはり毎日乾き具合をチェックしなければなりません。水やりで一番失敗しやすいのがこの冬の期間です。
夕方に与えた水が夜間に凍結すると、鉢が割れたり雑木の皮がはぜたりすることがあるので、水やりは午前中を主体にします。
保護室内の樹は屋外の樹よりも乾燥がゆっくりになります。場合によっては1週間に1回くらいの水やりになることもあります。