枝配置のポイント

下枝で樹高が決まる?

理想的な下枝の位置は、模様木の場合で樹高の約3分の1の高さ、直幹で4分の1の高さなどといわれています。
逆に言えば、下枝の高さを3倍から4倍にしたものが理想的な樹高ということになります。もちろん樹高はこれだけで決定づけられるものではありませんが、安定感のある樹形をつくる際の一つの目安にすることはできます。
一番下の枝から順に、左右交互に枝が出て、上に行くほど枝と枝の距離が狭くなるのが理想的な枝順です。しかも模様木なら、それらの枝が曲の外側から出ていて、下枝ほど太く力強いというのも基本形の1つです。
これらの点をすべて備えているような理想的な素材はそうそうあるものではありませんが、こうなっていれば素晴らしいという知識だけは持っておきましょう。その上で素材を手にしたとき、最初に「変えられない部分」と「変えることができる部分」に分けて長所・短所を検討してみます。
たとえば、立ち上がりの角度は植え付けの変更で変えることができますが、立ち上がりの幹模様は、よほど過酷な改作でもしない限り変えることができません。いらない枝は切ればなくなりますが、ほしいところに枝をつくるというのは、なかなか困難です。細かいところは時間をかければ太らせることもできますが、太くなってしまったところを細くすることはできません。
こうした現状を細かに分析し、樹の持ち味をそのまま生かすところと、枝を切るなどの作業が必要なところを決めていきます。

 

奥行きを表現する前後の枝

盆栽は平面の紙に描いた絵のように平べったいものではなく、奥行きを持つ立体です。なるべく雄大な景色を表現しようと思うのなら、この奥行感を大切にしなければなりません。実際に前後の方向に大きく見せるわけです。
樹を真上からから見たときの輪郭も基本はやはり三角形です。立体感が出るように枝を前後に振り分け、樹高の半分より上には前枝をつけて、奥行きを表現します。
幹の真後ろに出る後ろ枝はやや横へ広げ気味にして、葉張りが正面から見えるように気をつけます。斜めに出る後ろ枝は、実際に手前の枝より遠くの枝の方が小さく見えることを考えて、左右の枝よりもやや薄めに、枝間からのぞいているといった感じで仕上げます。前枝はごく小さめにつくり、真正面ではなく左右どちらかに振り気味にして、左右対称になるのを防ぎます。
こうして大きな枝に変化を付けて配置しながら、さらに小枝にも上下だけではなく前後の曲を入れ、複雑な枝の綾を生み出します。