とりき【取り木】幹を削って養分の通り道を遮断することで強制的に木質部に発根させ、その根の下部で切断、上の部分を植え込んで使う繁殖方法。盆栽の素材を得るために大変重要なテクニックで、改作にも活用でき、特に小品盆栽では取り木で作られた名品も多く見られる。樹種により適期は違うが、均等な根張りが得られるところと、模様・幹肌の良い部分だけを選択できるというのが最大の魅力である。

つぎき【接ぎ木】一般的には繁殖法の一つということになるが、盆栽づくりの上では大変重要なテクニックで、繁殖や枝作り、さらには根張り作りにまで応用できる。一口に『接ぎ木』といっても、様々な目的や方法があるので、ここに挙げる。 ●枝接ぎ・芽接ぎ フトコロ部に枝が欲しいが、追い込める芽がない場合など、枝や芽を接ぎ穂にして芽を得る ●根接ぎ 良い根張りを得るために、根張りの足らない部分に接ぐ ●呼び接ぎ 接ぎ穂にする部分を母木から切り取らず行なう接ぎ木。活着の難しい樹種(もみじなど)に用いられる ●通し接ぎ 幹に穴を開け、接ぎ穂を通して活着を待つ方法。樹種(もみじや楓など)や時期(5月下旬~6月上旬)を選ぶため、あまり一般的ではない その他、葉性や品種を変えたいときや繁殖法としてなど、接ぎ木の応用範囲は広い。接ぎ木で繁殖された素材は、花や実の着くのが早くなる。