さ行

ざ【座】

樹の足元・根張りの芸の一つで、細かく岐れた根が横に薄く広がっている様子。盤根(四方に広がり癒着して盤状になった根)もしくは盤根になりかけている根の状態。

さく【作】

培養の結果や仕上がり状態のこと。農作物と同じで、その年の天候・気象条件に大きく左右される。転じて「培養を続ける」意味もあり、「もう一作すれば良くなる」などと使われる。

さしえだ【差し枝】

利き枝の一種で、長く「差し出す」ように突き出ている枝。樹高とのバランスを考えて設けることが必要。

さしき【挿し木】

繁殖法の一種。植物体の一部(枝・葉・根)を土などに挿して発根させ、独立した新しい個体を作ること。比較的簡単な繁殖法であり、太りも早く得られる。実生法と違って親木(親枝)の性質を受け継ぐという特徴があるため、品種的に貴重なものや実生法では個体変化が激しくて性質が異なってしまうものの繁殖に向く。挿すもの(枝や葉)を挿し穂と呼び、土の方を挿し床と呼ぶ。

さばみき【サバ幹】

自生地で長い歳月の間に幹の一部あるいは大半が自然の災害を受け、割れたり裂けたりして木質部が現れている状態の幹を指す。ウロともいう。

じだい【時代】

古さ、または古く見える見せ方。盆栽の基本的要素であり、「時代が良い」「時代が乗っている」などと表現され、評価の対象となる。樹の古さは特に幹肌に表れ、古いものは自然古木と似た雰囲気を醸し出す。その他にも、よく使い込まれてきた古い鉢など、古さ・落ち着きを感じさせるものに対して広く使われる言葉である。

したえだ【下枝】

下の方の枝。一本の枝を指す場合と、下の方の枝のまとまり全部を指す場合の両方ある。

しめこむ【締め込む】

枝などが間伸びしないように、樹形をかちっと引き締めて作ること。そのためにはフトコロ芽を大切にして枝岐れをつくる必要がある。見事に締め込まれた木は、小さくても大樹の相を表すことができる。

しゃかん【斜幹】

盆栽樹形の一つで、幹が斜めに立ち上がっているものをいう。動きの大きい樹形のため、引き根(傾斜の反対方向に出ている根)など力強い根張りを持ったものがふさわしい。

しゃり・じん【シャリ・ジン】

幹や枝の木質部が朽ち果て、白骨化したものを指す。松柏類に多く、特に真柏や杜松では見どころのひとつとされる。このジン・シャリの芸で評価が大きく変わることもしばしばである。
一般には、枝の枯れたものをジン、幹の枯れたものをシャリと呼ぶ。

しゅかん【主幹】

複数の幹を持つ樹形(寄せ植え・株立ち・根連なり)で、全体を統率する中心的な位置を占める幹を指す。一般にもっとも太く、高く、力強い。全体のイメージを左右する大切な幹である。

じゅかん【樹冠】/ じゅしん【樹芯】

どちらも樹木の最上部を示す言葉。一番上の枝棚全体を「樹冠」と呼ぶのに対し、樹の先端部分で幹の頂点を「樹芯」と呼ぶ。ともに樹形に大きな影響を及ぼし、特に樹の輪郭や流れを決める場合に重要な要素となる。

じゅせい【樹勢】

樹木の生育状態。文字通り、樹の勢い。枝葉、幹、根の伸長が順調である状態を樹勢良好であるとする。

じゅせい【樹性】

その樹種の持つ性質のこと。生長のスピード、花・実・葉の性質、好む土質条件、病害虫抵抗性、適した繁殖方法など、様々な要素がある。管理方法や作業時期などにも関係があるので、樹性をしっかりつかんでおくことが必要である。

しゅぼく【主木】

飾りでメインとなる樹。席飾りでも一番目立つ位置に飾られ、重要度は高い。

しょう【性】

樹の個体差を表す言葉。「性が良い」「葉性(はしょう)」「皮性(かわしょう)」などと使われる。またその特徴が固定化したものに対して、品種名のように用いられることもある。例:もみじ荒皮性、蝦夷松八ッ房性など(荒皮性…短期間で肌が荒れてくるもの、八ッ房性…芽や葉の矮小化したもの、盆栽に適している)。

しんしょう【新梢】

今年伸びた枝(当年枝)。新梢の伸び方で、樹勢がはっきり分かる。「新芽」もほぼ同義として使われることが多い。

すかす【透かす】

葉・芽・枝・根などの量を減らすこと。力の調節をはかる、通風・日照条件を良くするという目的があるほか、美観上のバランスを整える効果もある。

せきかざり【席飾り】

盆栽飾りの総称。床飾り、棚飾りなどもこれに含まれる。『席』という限られた空間を隅々まで意識した飾りが良いとされる。水石や添景を用いて工夫するのも楽しい。

せっかいいおうごうざい【石灰硫黄合剤】

昔から使われている農薬の一つで、殺菌・殺ダニの効果がある。必要に応じた倍率に水で薄め、筆などで塗布、または噴霧器で散布する。冬は樹木の休眠期なので一般的に20倍、それ以外は1000倍程度に薄めるのが適当と言われる。ジンやシャリの化粧もこれで行なう。

せっかしょう【石化性】

本来は、樹木の性(性質)のうちの一つで、自然状態で石化しやすい性質のものを指す。石化とは、文字通り石のように固くなり板状やハケ状になること。しかし盆栽界では八ッ房性と同じ意味で使うことが多い。

せっかん【節間】

節と節との間。葉や枝の出ている箇所を節という。節間が間伸びした樹は、小さく作るべき盆栽では評価が低い。犠牲枝(太りを得るためわざと剪定しない)など特殊なケースを除くと、基本的にはできるだけ節間を短く作っていく。

せんてい【剪定】

盆栽の枝や葉、幹を切り整えること。大変に重要な作業で、主に次のような目的を持つ。
●樹形の基礎(枝骨)を作る
●完成木の維持
●徒長を抑制し、樹勢の均一をはかる
●枝葉の密生を避け、発芽を促す
●樹冠内や枝のフトコロへの日照不足を防ぎ、通風を良くして病害虫の発生を防ぐ
●大きい樹を小さく作り変える
これらの意味で剪定を毎年繰り返すことによって、締まった(小さく作り込まれた)盆栽が出来上がる。(=【枝抜き】)

そうかん【双幹】

盆栽樹形の一つで、一株の根元より二本の幹が出ているもの。幹の高くて太い方を主幹、細く低い方を副幹と呼ぶ。この二本の幹の高低・太細の調和が大切。幹の岐れめが少し上に位置するものは、途中双幹と呼ばれる。

そえ【添え】

飾りの中で、主木に対して飾られるものの総称。軽妙な雑木や花もの・実もの、あるいは山野草類などが用いられ、主木を引き立てる役目を果たす。

そこね【底根】

幹の真下の部分にある根のこと。ある程度できている樹の場合、太りすぎや間伸びに対する抑制になるし、薄めの鉢に入れることも考えて、植え替えの際に(樹勢低下などの問題がなければ)深く切り詰めることが多い。