8月〜9月の管理レシピ

秋の肥培方法

春の肥料が 新梢 の生長を促すものだったのに対し、秋の肥料は樹体の充実と、冬越しの体力を蓄えるために与えます。翌春の芽吹きの勢いも、秋の肥培具合によって異なってきます。
とはいえ、たくさん肥料をやればよいというものではけっしてありません。肥料は樹の体力を補うための二次的な感覚で捉えた方がよいでしょう。もちろん基本は、十分陽に当てしっかりと水を与えて、基礎体力を付けることです。
8月下旬、または9月に入ったあたりから肥料を与え始めます。最初は標準的な玉肥を5cm間隔くらいで鉢縁に並べる程度にします。10月の肥料はもう少し増やしてもよいでしょう。
玉肥の交換は1ヶ月から40日が目安です。それ以上置いておいても肥料カスが増えるばかりなので、定期的に交換します。9月に1回、10月に1回、11月に1回の合計3回が秋の肥料となります。
肥料を多く必要とするのは黒松、それも芽切りした樹です。それに比べると五葉松はやや控えめ、文人木のような枝先のゴツさを嫌う樹形はもっと控えめとなります。結実した実もの樹種のなかでも、かりんやざくろ、仏手柑など実が大きなものは、肥料も少し多めにします。
基本的に若木や養成木ほどしっかりと肥培します。完成に近い樹の場合は、幾分控えめにしておかなと、不要な芽が走ったりして枝先のバランスを崩してしまいがちです。
夏バテしたり根詰まり気味で元気のない樹には、施肥を避けておいたほうが安全でしょう。秋の紅葉を楽しみたい樹種、たとえばもみじや楓などの完成木も肥料を避けておきます。

台風対策

9月に入ればいよいよ台風シーズンです。早いときには8月中に台風がやってくる場合もあります。大切な樹や鉢が損なわれないよう、早めに対策を立てておかなければなりません。
根が動くと樹が傷むので、樹と鉢とを十分に固定しておきます。ビニール紐などで十文字にくくっておくとよいでしょう。その上で、鉢ごと吹き飛ばされたりしないように、鉢を棚板に固定しておきます。
懸崖 や吹き流しなどの不安定な樹は、風が直接当たらない場所へ移動しておいたほうがよいでしょう。小品盆栽もかためてかごに入れ、台風情報にあわせて移動しやすいようにしておきます。
強烈な場合は棚板自体が動いてしまうこともあるので、まず置き場を補強しておくことも忘れてはなりません。
台風通過後は、樹の洗浄をかねて多めに水をかけてやります。とくに海に近い地方では、台風が運んできた塩分を洗い流すために、かならず幹も葉も鉢の中も、十分に水をかけておきましょう。

樹種別作業・管理ポイント

五葉松  古葉落とし

夏を過ぎれば、枝に残っていた前々年葉が茶色くなってきます。一昨年の葉ですから、もう付いていない樹もあります。もし残っていて茶色くなるようなら、不要な葉ですからゆすり落としておきましょう。

黒 松  二番芽の芽かき

8月に入れば、芽切りした樹の二番芽がはっきりしてきます。いくつもかたまって吹いた部分が出てくるので、方向のよい芽だけを残し、不要な芽はかき落としておきます。水平に出た、同じような大きさの2芽を残すのが基本です。

杉  若木

若い素材を枝骨づくりから始める場合には、春の芽出し時期か、秋の9月15日から10月15日の間に作業します。それ以外の時期はハサミ傷みする可能性が高く、愛好家向きではありません。
ある程度 枝骨 ができた樹の 切り込み も、秋にやったほうが傷みが少ないのでおすすめです。
最初に仕上がりの輪郭を想定し、 芽切り します。それから針金をかけて枝骨の方向を整えながら、強すぎる小枝や方向を修正し、強すぎる小枝や方向の悪い小枝を切りすかします。太枝はよほどぶつかり合うところ以外は抜かず、なるべく長い間残しておきます。あまり早い時期に枝を決め、不要な枝を全部はずしてしまうと、幹がなかなか太ってくれません。
 整姿後は葉にたっぷりと霧水をかけてから外に出していきます。

8月~9月のワンポイントアドバイス
黒松 水平に出た平均的な強さの2芽を残して芽かきする
五葉松 8月下旬から剪定・針金かけができる。植え替えも可能
真 柏 9月いっぱいで芽つみを終える。蒸れを防ぎ葉水を励行
蝦夷松 残暑が残る間は西日をなるべく避け、風通しのよい場所に置く
赤 松 黒松同様、早めに二番芽を処理する。茶色くなった古葉を取る
杜 松 9月いっぱい、または10月初旬まで芽つみを続ける。蒸れに注意
若木の剪定適期。完成木は9月下旬に最後の芽つみ
山もみじ 9月中旬から秋の肥培開始。紅葉を楽しむのなら肥料は避ける
9月中旬から秋の肥培を開始。殺菌・消毒を定期的に行う
けやき 徒長枝の切りつめ、二番芽の芽かき。肥料は控えめ
ぶ な 土用芽が伸び始める、不要なら早めに切り取る
いぼた 実を確認しての徒長枝の切りつめ
梅もどき 実を確認しての徒長枝の切りつめ。不要なヤゴ芽は早めに切り取る
かりん 秋の植え替えは9月に入ってから。水切れ厳禁
ピラカンサ 9月に入ったら秋の植え替え可能
姫りんご 9月に入ったら植え替え可能。結実したものは水切れ厳禁
つる梅
もどき
鳥害注意。水切れ厳禁
老爺柿 秋の肥培を開始。不要なヤゴ芽は早めに切除する
まゆみ 水切れ厳禁。高温多湿期は殺菌剤を定期的に散布
くちなし 水切れに注意
きんず 水切れに注意
美 男
かずら
水を好むのでとくに水切れ厳禁
さつき 9月に入ったら秋の1回目の肥料を置く。葉ダニ、シンクイムシの予防