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今月の作業管理レシピ

1月~2月の管理レシピ

MENU
●冬季保護 ●梅の剪定 ●五葉松の芽接ぎ
●松柏類の剪定・改作 ●さつきの植え替え  
●ジン・シャリの彫刻 ●植え替え準備  
鉢の凍て割れ  -原因と対策
 冬期の凍結によって鉢が割れてしまうことがあります。これは鉢の中に残っていた水分が凍って膨張し、内側から鉢を押し広げてしまうせいです。水が凍ると一割以上も体積が増えます。鉢の中に余裕があればかまいませんが、根がまわりきっていたりすると、案外あっさりと鉢が割れてしまいます。
 これを防ぐには、根詰まり気味の鉢や焼成温度の低い鉢を凍結させないことです。軒下に取り込むだけでもかなり凍結を防ぐことができます。高価な鉢の場合はやはり ムロ に入れておいたほうが安全でしょう。

松柏類の改作
 休眠期間中は松柏盆栽の改作適期です。特に黒松、五葉松はこの季節に思い切ったことができます。枝が裂けやすい赤松は、水上げしている秋口のほうが枝に柔軟性があって安全なので、冬期は触らずにおきます。
 改作作業における注意点は、一度に枝を切りすぎないこと。切った枝をもう一度つけることはできませんから、「絶対いらない」と分かる枝だけ切るようにします。太枝を操作するときには、形成層の裂傷を防ぐためにラフィアで包帯をします。ラフィアがなければ接ぎ木テープでも結構です。
 枝を切断した傷跡には、細菌が入り込まないように 癒合剤 (ゆごうざい)を塗布しておきます。墨汁、チューイング・ガム、木工ボンドなどでも代用できます。作業後は保護室や軒下などに取り込んで保護します。


■樹種別作業・管理ポイント
さつき  植え替え
 さつきの若木、養成木の植え替えは2月~3月が適期です。完成段階の樹は3月まで待ちます。
  畑上げ 直後の初めての鉢上げでは、畑土を落とすために根洗いしますが、ていねいに古土を落として用土を更新します。底根は強めに追い込み、横根は1/3ほど切り込んで、ヒゲ根を出させておきます。 上根 は一番重要なので、傷つけないように注意しながら、風化して古くなった表土をかき落とします。

黒 松  小枝の整理
 一ヵ所から何本も出た小枝を切りすかして二叉のきれいな枝分かれにします。輪郭から飛び出すような強い小枝は、かたまりごと切り込んでしまいます。
 この時期はまだ小枝の先に硬い芽(冬芽)があるだけですが、この冬芽の大小を見ても枝の強弱を判断することができます。小枝を切りすかす場合は、大きな冬芽を持つ小枝を優先的に切り、平均的な大きさの冬芽を持つ枝を残すようにすれば、 樹勢 の平均化が図れます。

1月~2月のワンポイントアドバイス
五葉松 針金かけ可能。作業後の樹は軒下に取り込んで凍結を防止する
真 柏 整姿・剪定が可能。ジン・シャリづくり適期だが、水を上げているときの方が樹皮はむきやすい
蝦夷松 乾燥した風に弱いので、北風をさえぎられるところに置く
赤 松 休眠中は枝が裂けやすいので、活動期に入るまで作業を待つ
杜 松 ジン・シャリ の彫刻可能。針金かけは避けたほうが安全
葉は霜焼けしても大丈夫。2月に植え替える人もいる
山もみじ 水を吹くと 樹勢 が低下するので剪定禁止。
2月下旬から植え替えも可能
けやき 小枝が細かいので凍て傷みしやすい。ムロなどに取り込んでおく
ぶ な 小枝の剪定などできるが、作業後は保護しておく
いぼた 小枝が細かいので ムロ などに取り込んでおく
梅もどき 関東以北は ムロ に取り込む。冬期消毒のチャンス
かりん 芽動きが早いので、2月中に植え替えする
ピラカンサ 日当たりの良い場所に置き、北風をさえぎっておく
姫りんご 比較的寒さには強いが、鉢土の凍結を避ける
つる梅
もどき
凍て傷みしやすいので軒下などに取り込んでおく
老爺柿 小枝の剪定が可能。2月下旬以降は植え替えもできる
まゆみ 関東以北では ムロ に取り込む
くちなし 寒さに弱いので、 ムロ など取り込む。
ビニールハウスでは温度を一定に保つこと
きんず ムロ で保護。水のやり忘れに要注意
美 男
かずら
北風をさえぎった日当たりの良い場所におく
長寿梅 軒下に取り込む。鉢土の凍結に注意。
開化時期。花後の剪定では必ず 葉芽 を残す

2月~3月の管理レシピ

MENU
●冬季保護 ●松柏類の剪定・針金かけ ●実生
●雑木類の植え替え ●取り木 ●ムロ出し
●雑木類の剪定 ●芽接ぎ
●畑上げ素材の根処理 ●挿し木  
取り木の適期  -2月下旬~3月下旬
 新芽が動き出す直前の今が 取り木 をかける適期です。 実生 挿し木 よりも太い部分、古い部分を取ることができるため、その後の樹づくりが早いというのが最大の利点です。幹模様の一番いいところだけを取り出すことができるのも魅力ですし、うまくいけば理想的な八方根張りを作ることもできます。
  取り木 は、葉で生成された養分が降りてくる道を遮断し、そこに カルス という生長細胞を発生させて根を出させる作業です。養分の通り道は樹皮と木質部の間にはさまれた薄い層で、これを 形成層 と呼びます。取り木を成功させるためには、この形成層を確実に分断し、その後発根までの間適度な湿度を保つことがポイントとなります。
  取り木 をかける前には、まず十分な 樹勢 をつけておかなければなりません。また、仕掛けたあとは 取り木 位置より上で光合成活動を行なえるように、日の当たる場所に樹を置きます。
  取り木 位置より下の活動は低下するので、親木の鉢土は以前より乾きが悪くなります。 取り木 部位の水やりに熱心になるあまり、親木に水をかけすぎて 根腐れ を起こし失敗するケースもよく見かけられるので、水管理には十分な注意が必要です。
雑木類だとだいたい1~2ヶ月くらいで発根します。
順調にいけば夏から秋口くらいには覆ったビニールの下から白い根がのぞいてくるので、秋、または翌春に切り離して独立させます。


■樹種別作業・管理ポイント
黒 松  実生
 自然のどんな大木も、初めはたったひと粒の種でした。 実生 は最も時間のかかる素材作りの方法ではありますが、それだけに無限の夢と可能性を秘めています。
  実生 の適期は春の彼岸頃。養成鉢や木箱、発泡スチロールの箱などを利用して撒き床を用意します。用土は川砂単用で、軽く水をかけてなじませてかけ、1cmくらいの深さに種を播きます。播種後はたっぷりと水をかけ、以後発芽まで乾燥させないように注意してください。1週間くらいで発芽し、2週間目くらいで土から顔を出します。
 1ヶ月したら苗を抜き取り、茎をわずかに残して軸を切ります。切断面の組織をつぶさないようにきれいに切ります。これで挿し木すれば、立ち上がりの低い素材ができるわけです。
 実生苗の軸を切って挿し芽したら、たっぷり潅水。根がないので、しばらくは風に当てないように気をつけます。

楓・ぶな  剪定
 植え替え直前、 ムロ 出し直後が雑木の剪定のチャンス。もう少ししたら動き始める芽が小枝のあちこちに控えていますから、残す芽の方向をよく考えて枝を切り詰めます。
 あまり小さな芽にもならない 芽あたり などは、眠り込んだり枯れたりしてしまっている場合もあるので、一つ一つの芽の大きさも注意します。なるべく同じ大きさの芽を残すようにすれば、樹全体の力もそろいやすくなります。
2月~3月のワンポイントアドバイス
五葉松 2月下旬が 芽接ぎ の適期。大きな切り込みや針金かけもできる。植え替えは3月下旬
真 柏 整姿・剪定が可能。作業の前に幹掃除ができるのは今の時期だけ
蝦夷松 乾燥に弱いので、相変わらず北風を避けておく。水切れに注意
赤 松 小枝の針金かけ可能。長すぎる古葉を抜いて整理しておく
杜 松 作業は避けておく。水切れに要注意
葉は霜焼けから回復するまで触らない。急に乾燥することがあるので水切れに要注意
山もみじ 3月は植え替え適期。剪定も同時に行なえる。芽を傷つけないこと
芽がふくらみ始めたころが植え替え適期。枝の切り込みも可能
けやき 2月下旬から ムロ 出し開始。3月に植え替え。芽動きの前に済ませること
ぶ な 芽動きは他樹種より遅い。枝の切り跡はきれいに削りなおし、 癒合剤 を貼っておく
いぼた 2月下旬には ムロ から出して軒下へ移動。水切れに注意する
梅もどき 3月下旬くらいから芽動きするので、それまでに ムロ 出しと植え替えを終える
かりん 芽動きが早いので、2月中に植え替えを済ませておく
ピラカンサ 3月上旬~中旬に植え替えする後は霜に合わないよう注意する
姫りんご 2月下旬~3月下旬の間に植え替える。根詰まりさせないこと
つる梅
もどき
芽がふくらみかけたら植え替えの適期。霜に当てないよう注意する
老爺柿 芽動きは遅い。2月下旬以降に植え替え。剪定・針金かけもできる
まゆみ 3月中旬~下旬に芽動きを始める。植え替えはそれまでに
くちなし 寒さに弱いので2月中は ムロ で保護。それ以降徐々に外へ出す
きんず 2月中はムロで保護。 ムロ 出しはよく観察しながら段階的に
美 男
かずら
日当たりの良い場所に置いておく。植え替えは4月に入ってから
さつき 若木の植え替えは2月中、古木も3月前半に植え替える
花後に 剪定 し、2月中に植え替えを終える

3月~4月の管理レシピ

MENU
●ムロ出し ●梅の剪定 ●実生
●雑木類の剪定・植え替え ●取り木 ●芽接ぎ
●松柏類の剪定・植え替え ●挿し木  
植え替え後の管理
 植え替え直後の樹は根が切られた分だけ水上げ量が低下し、鉢土の乾きが遅くなります。他の樹と同じように水をかけると用土の乾く暇がなく、水もたれをおこしてしまうので、潅水サイクルを遅いめにするなどの調節が必要です。
 逆に、水通りがよくなって急に乾いてしまうこともあるので毎日乾き具合をチェックします。乾いた風に当てると葉からの蒸散量が増え、根からの水上げが追いつかなくなり、傷んでしまうこともあります。植え替え後2~3週間くらいはあまり風の当たらない、それでも日当たりのよい場所に置いておくほうが安全です。

枝抜き後の処理
 2月から3月にかけては剪定作業の適期でもあります。太枝を切断した跡は、 形成層 (樹皮と木質部との間の薄い層)の切り口をきれいに削り直し、 肉巻き しやすいように処理しておきます。
太枝だの切り方
 傷口の 肉巻き が盛り上がるとコブ状になって醜いので、あらかじめ切り口を平らに削り直しておかなければなりません。
 松柏類の場合は 肉巻き に時間がかかるので、枝元を長めに残して切り、 ジン にしてしまうことが多いようです。すぐ ジン にするのではなく、しばらく樹皮をつけたまま残しておき、ある程度ヤニがまわるのを待ってから削って ジン にしたほうが、堅牢な ジン になります。
 切り口が乾燥して灼け込んだり、細菌などが入らないように、 癒合剤 (カットパスターなど)を塗布しておきましょう。殺菌剤(トップジン・ペーストなど)を塗ってから 癒合剤 を塗布しておくと、病菌予防に効果があります。


■樹種別作業・管理ポイント
五葉松  植え替え
 五葉松の植え替えは春の彼岸前後が最適期です。できれば針金かけなどの作業から1~2週間ほど置いてから植え替えるほうが、少しでも樹の負担を軽減することができるでしょう。植え替えない樹でも、汚れたり風化した表土だけは新しくしておいたほうがよいでしょう。これだけで水の通り具合がずいぶん変わります。

かりん  霜に注意
 ほかの樹種に先駆けて芽を開きはじめます。萌えだしたばかりのやわらかな新芽が霜に当たると、芽を傷める結果となりますので、放射冷却で霜が降りそうな日には、前日から軒下などに取り込むようにしましょう。

 挿し穂の管理
 古枝を 挿し木 したものは、根が出るまでの間、 葉水 を中心に与えます。挿し床を四六時中びしょびしょにしておくと発根率が低下するので、用土は乾き気味にして、フレームなどの中で空中湿気を保つようにします。
3月~4月のワンポイントアドバイス
黒松 3月下旬~4月上旬が植え替え適期。剪定・芽接ぎもこの時
五葉松 植え替えは3月下旬~4月下旬が適期。針金かけ可能
真 柏 整姿・剪定が可能。ただし新芽が動き始めたらいっさいさわらない
蝦夷松 乾燥に弱いので北風を避けておく。霜と水切れに要注意
赤 松 小枝の針金かけ可能。植え替えは3月下旬~4月中旬まで
杜 松 作業は避けておく。水切れに要注意
急に乾燥することがあるので水切れ注意
山もみじ 3月が植え替え適期。完成木は芽が開いたらすぐ芽つみに入る
芽がふくらみはじめたころが植え替え適期。乾きが早くなるので水切れ注意
けやき 芽動き前に植え替えておく。枝元を縛っておいたものは外しておく
ぶ な 芽動きは他樹種よりやや遅いが、3月中に植え替えておく
いぼた 3月中に植え替える。剪定と挿し木も3月が適期
梅もどき 3月中旬くらいから芽が動きはじめるので、それまでに植え替えを終える
かりん 2月中に植え替えを済ませ、軒下へ。芽出しが早いので特に霜に注意する
ピラカンサ 3月上旬~中旬に植え替える。植え替え後は霜に合わさないように注意する
姫りんご 2月下旬~3月下旬の間に植え替える。剪定も3月中に終わらせる
つる梅
もどき
芽がふくらみかけたら植え替えの適期。霜に当てないよう注意する
老爺柿 芽動きは遅い。2月下旬以降に植え替え。剪定・針金かけもできる
まゆみ 3月中旬~下旬に芽動きをはじめる。植え替えはそれまでに
くちなし 寒さに弱いので、 ムロ 出しはゆっくり。雨の日に軒下に移し、徐々に外気に慣れさせる
きんず 寒がる樹種なので、 ムロ 出しはよく観察しながら段階的に
美 男
かずら
日当たりのよい場所に置いておく。植え替え後は風を避ける
さつき なるべく3月前半に植え替えをすませ、表土に山苔を張り、軒下で霜除けする

4月~5月の管理レシピ

MENU
●芽つみ・芽押さえ ●肥培開始
●生長期の消毒 ●取り木・呼び接ぎ  
●実ものの交配 ●黒松の小枝すかし  
害虫が活動を開始
 気温が上昇してくると、いよいよイヤな害虫たちが活動を開始します。害虫はやわらかい新芽や開きはじめたばかりの新葉が大好物ですから、食害にあわない内に対策を講じなければなりません。
 虫たちを見つけてからでは手遅れなので害虫が発生する前から予防のために殺虫剤を散布します。同時に殺菌剤も散布して、病菌の予防も兼ねましょう。
 春から秋にかけてだいたい2~3週間に1回くらい、定期的に薬剤を散布しておけば、ほとんどの病気や害虫を防ぐことができます。転ばぬ先の杖、すべては予防が第一です。

鉢まわしを忘れずに
 棚場に樹を置くとき、ついつい正面が見やすいように置いてしまいがちです。でも、そのままずっと置いておくと同じ方向からばかり日が当たってしまいます。これでは新芽の生長に片寄りが出てしまいますし、新芽の伸びる方向も変なものになってしまいます。
 そこで大切なのが鉢まわしです。どの枝にもまんべんなく日光が当たるように、鉢ごと樹を少しずつ回していきます。消毒と同じように定期的に鉢まわしを行ない、習慣づけるとよいでしょう。

実もの盆栽の交配
 4月~5月に花が咲く実もの盆栽には姫りんご、深山かいどう、なし、まゆみ、老爺柿、つる梅もどき、ピラカンサ、などがあります。このうちピラカンサは花さえ咲けば自然に実がとまってくれますが、まゆみ、老爺柿、つる梅もどきはオス花とメス花が別々なので、雄木のそばに雌木を寄せて自然交配させるか、人工交配しなければなりません。
 りんごや深山かいどう、なしなどは雄花雌花の区別がない両性花ですが、自分の花粉では結実しにくい性質を持っているため、同属他品種の花粉を交配してやらなければなりません。
 花が咲いたら花粉を流してしまわないように雨を避け、水やり時にも花に水がかからないように気を配ります。自然交配の場合は、風通しがよく、蜂など花粉を運んでくれる虫の目に付きやすいところに置くのがポイント。肥料を与えるのは実がとまったのを確認してからです


■樹種別作業・管理ポイント
真 柏  芽つみ
 真柏の 芽つみ はカンタンです。次々と伸びてくる新芽を、輪郭線にあわせるようにして指でつみ取るだけです。毎朝の水やりのついでに作業すればよいでしょう。
 ただしつみ取る新芽の部分(古葉は緑色が濃く、新芽は黄緑色に近い)だけです。もちろん伸ばして力を付けたい部分はつんではいけません。

黒 松  枝すかし
 新芽が伸び出してくる頃です。今なら芽の強弱がはっきりとわかりますから、来月の芽切りに先駆けて、強すぎる小枝をすかしておきましょう。
 ローソク芽が長く伸びるところはもともと勢いの強い枝ですから、芽切り後の二番芽も強くなります。もし他に代用できる枝があるなら、強い部分は思いきってかたまりごと切除してしまいましょう
 ただしこれは冬に小枝すかしが十分できている樹には必要ありません。

さつき  摘蕾(てきらい)
 開花が目前に迫ってきました。形よく花を開かせるためには、近寄りすぎているつぼみを間引いてやる必要があります。でないと花どうしがぶつかり合い、花びらが変形してしまいます。また、樹勢が弱い部分のつぼみも取ってやりましょう。

4月~5月のワンポイントアドバイス
黒松 植え替えは4月上旬まで。 実生 が発芽したら軸切り挿し芽する
五葉松 植え替えは4月上旬まで。
長い ローソク芽 は軸が太る前に芽の途中で摘芯する
真 柏 芽が動き始めたら植え替えも針金かけも禁止。生長期は芽つみに専念する
蝦夷松 4月に入ったら風通しのよい棚場に戻す。新芽は半分くらい残して 芽つみ する
赤 松 4月中旬までに植え替えをすませる
杜 松 5月に入ってから葉すかしと芽つみをするのが一般的
完成木は適宜 芽つみ していくが、
養成木は4月一杯新芽を伸ばして力を付ける
山もみじ 古木は芽が開いたらすぐ 芽つみ に入る。消毒・肥培開始
勢いよく伸びる 新梢 節間 の長さを見て芽を止める。
葉が開いたら早めに 芽押さえ
けやき 芽つみ は葉が開いてから。
枝元がコブにならないよう、小枝すかしはいつでも可
ぶ な 芽動きはやや遅めだが、動き始めると一気に新芽が伸びるので、適宜摘芯する
いぼた 不定芽 や不要な芽は見つけ次第切り取ってコブになるのを防ぐ
梅もどき もうつぼみが確認できるので、徒長した新芽は花を残して先を止める
かりん 4月に開花。花に水をかけないこと。肥料は結実するまで避けておく
ピラカンサ 短枝の先端に花が咲くので、長すぎる新芽は切り戻す。
自然交配で十分結実する
姫りんご 枝打ちが粗いので、新芽が徒長しない内に芽を止め、枝分かれをふやす
つる梅
もどき
枝づくり段階の樹は、摘芯というより新芽を伸ばした後、2~3節残しで切りこむ
老爺柿 4月中旬~下旬に開花。風上に雄木を置いて自然交配する。
花に水をかけないこと
まゆみ 新梢 の葉腋から伸びた軸の先に花芽が付く。実が止まるまで施肥は控える
くちなし 寒さに弱いので、 ムロ 出しはゆっくり。雨の日に軒下に移し、徐々に外気に慣れさせる
きんず 寒がる樹種なので、 ムロ 出しはよく観察しながら段階的に
美 男
かずら
日当たりのよい場所に置いておく。長すぎる 新梢 は切りつめる
さつき つぼみがかたまって付いているところは間引いておく

5月~6月の管理レシピ

MENU
●五葉松のミドリつみ ●さつき花後の剪定 ●呼び接ぎ
●雑木の芽つみ・芽押さえ ●取り木・挿し木 ●春の肥培
●杉・杜松の切り込み ●実ものの交配   
6月下旬~7月下旬が芽切りの適期
 黒松の 芽切り は6月20日頃からスタートするのが一般的です。全体の芽の力(長さ)にばらつきがあるようなら 芽切り を2回に分け、最初に弱い芽を切り、1週間から10日後に残しておいた強い芽を切ります。
 通常7月上旬で芽を切り終えますが、小品盆栽などなるべく葉を短くしたいものは、7月上~中旬くらいに時期をずらします。関東以北など夏の短い地域では、逆に芽切り時期を早めます。
 春に葉すかしをしていないものは、 芽切り と同時に葉をすかします。

さつき・花後の剪定
 花の観賞を終えたらなるべく早く花ガラを取り、軽く肥料を置いて10日ほど休めます。
 花後の剪定は開花から6月20日頃までが作業適期。たくさん吹いた芽の中から、平均的な強さの2芽を選んで残します。あとは欲しい長さによって1~2節を残して切ったり、元葉まで追い込んだりします。長さが足りない、もっと太らせたいなどの場合は先を止めずに走らせておきます。
 この剪定と同時に植え替えをする人がいますが、なるべく避けておいてほうがよいでしょう。


■樹種別作業・管理ポイント
ぶ な  芽つみ
 ぶなの 芽つみ 適期は新芽の長さで判断します。だいたい4~5cmくらい伸びたとき、2節残しで切るのが基本です。
  芽つみ と同時に葉すかしも行いましょう。葉が多くて フトコロ が蒸れそうな部分があれば、 新梢 の付け根近辺の葉を1~2枚取って風通しをよくしておきます。

五葉松  芽つみ
 五葉松は黒松のような 芽切り をするわけではなく、 芽つみ もごく簡単です。輪郭線から飛び出すような強い新芽を見つけたら、その軸の太さを確認し、新芽を途中で折り取って生長を止めます。

杜 松  切り込み
 枝づくり段階の場合は、いったん新芽を走らせてから 切り込み ます。新芽の軸が必要な太さになったとき、緑色の軸のところで必要な長さまで切りつめます。
 同時に古葉をすかしましょう。古軸(茶色い部分)にへばりついた古葉をピンセットで取り去り、軸元の風通しをよくしておきます。

5月~6月のワンポイントアドバイス
黒松 強い ローソク芽 を途中で折り取って止める。小枝の切りすかし可能
五葉松 輪郭線から飛び出すような長くて強いミドリ芽は、途中で折り取って止めておく
真 柏 新芽の先を指でつみ取って二番芽を吹かせる
蝦夷松 先月に引き続き芽つみをする。伸ばしたい枝の芽はつまない
赤 松 浸透性の強い殺虫剤を散布して、シンクイムシの予防に努める
杜 松 植え替え、 切り込み 芽つみ の適期。小枝元の古葉すかし、新芽の途中で切る
5月~9月の間は 芽つみ の繰り返し。5月から梅雨中は 挿し木 の適期
山もみじ 芽つみ 。枝をゴツくさせないために、不要な二番芽は早めにかき取る
芽つみ 葉刈り で節間を短くし、小枝の数を増やす。葉刈りと同時に植え替えも可能
けやき 輪郭から飛び出す芽を芽つみする。5月下旬~梅雨中は 取り木 の適期
ぶ な 芽つみ 適期。 取り木 は5月下旬~6月上旬。枝がゴツくなるので肥料は控えめ
いぼた 新芽がある程度伸びたら、1~2節で切りつめるかたちの 芽つみ を繰り返す
梅もどき 芽つみ 適期。6月頃開花。開花中に雄木と交配する。肥料は結実してから与える
かりん 6月頃には実止まりする。枝が硬いので早めに針金で押さえる。6月は取り木適期
ピラカンサ 開花期は5~6月。若木は新芽を1~2節に切り込んで枝づくりに専念する
姫りんご 深山かいどうと交配する。捨て枝を作りながら、長く伸びた新芽を3~4節で止める
つる梅
もどき
5~6月に開花する。雄花を雌花につけて人工交配する
老爺柿 枝づくりの段階の樹は 葉刈り できる。葉元を残して切る。取り木も可能
まゆみ 5~6月開花。雄木と交配させる。芽つみは5月初旬に
くちなし 6月開花。他のくちなしの花と人工交配すると結実率が高くなる
きんず 枝元に吹く不要芽は早めにかき取る。5~6月は 取り木 の適期
美 男
かずら
葉が大きいので蒸発量が多いため水切れに注意
さつき 花を観賞したら早めに花ガラを取り、お礼肥を与えて1週間休ませ、花後の 剪定

6月~7月の管理レシピ

MENU
●黒松芽切り ●杉・杜松の切り込みと芽つみ
●雑木の葉刈り・針金かけ ●取り木・挿し木  
●さつき花後の剪定 ●呼び接ぎ  
雨をあてにすると裏切られるぞ!
 蒸し暑く、空中の湿気が非常に高い季節となります。こういうときは、鉢土の表面は濡れていても中の方は乾燥していることがよくあるので、だまされないように注意しましょう。朝から雨が降っていたり、もうすぐ泣き出しそうな空模様の時は、ついつい水やりせずに出勤したりしますが、降ると思っていた雨が降らなかったり、お湿り程度でやんでしまうこともよくあるので、毎朝水やりだけは欠かさないようにします。
 水やりは水分補給とともに鉢中の空気の入れ換えという役目も持っているので、1日1回はしっかりと水を通してやることが必要です。
 その上で、水捌けの悪い樹や乾きの遅い樹は、鉢を傾けるなどして水抜けよくしておきます。特に薄くて間口の広い鉢ほど、水もたれしやすいようです。
 梅雨の間は置き肥を取り外すか数を少なくして、肥料あたりを予防します。

成長期の要チェック事項
 日毎に新芽が生長して、小枝の軸が太っていきます。芽押さえのためにかけた針金など、あっという間に食い込んでしまうこともあるので、なるべく毎日確認するようにしましょう。
 ちょっと食い込みはじめたら、新芽を折らないように気をつけて針金をはずし、 新梢 を2~3節残しに切りつめるか、もう一度針金をかけ直しておきます。
 植え替えの時に、樹を固定するために使った針金も、そろそろ根張りに食い込みはじめているかもしれません。放っておいたままでは根が傷むので、そっと上土をかきながら確認しておきましょう。
 生い茂った葉の影響で、 フトコロ の芽に日が当たらず、風通しも悪くなっています。 葉刈り できる樹種は、外周部の大きな葉を(葉柄を残して)切り、枝内部への日照・通風をよくします。鉢まわしや、鉢を傾けたりして、少しでもフトコロ芽に光が当たるよう工夫してやるとよいでしょう。


■樹種別作業・管理ポイント
ピラカンサ  徒長枝の剪定・挿し木
 ピラカンサは短枝の先端に花が咲くので、生長期間中は 徒長枝 を剪定し、伸びすぎを抑制して、短枝をふやさなければなりません。
 もう今年の花は結実しているので、結実していない 徒長枝 を1~2節に切りつめておきます。切り取った 新梢 は捨てずに挿し木しておきましょう。

老爺柿  新芽押さえ
 比較的木質の硬い老爺柿は、まだやわらかい新芽の内に針金で模様をつけておきます。芽動きが遅めなので、芽押さえは6月から梅雨時期までが最適。上下の模様だけではく、左右の模様も忘れずに入れておきましょう。
  新梢 は生長が早いので,針金の食い込みも早くなります。少し食い込みはじめた頃を見計らって針金をはずし、秋にもう一度かけ直すとよいでしょう。

6月~7月のワンポイントアドバイス
黒松 6月20日頃から 芽切り 開始。古木はちょっと早め。小品は7月から
五葉松 開いたばかりの新葉には絶対にさわらないこと。夕方の葉水は効果あり
真 柏 芽つみ 続行。新芽がかたまったら針金かけ可能
蝦夷松 6月中は 芽つみ 続行。他樹種より水を好むので、梅雨明け後は水切れ注意
赤 松 黒松より1週間ほど早めに 芽切り する。文人木は葉すかしがポイント
杜 松 梅雨中まで切り込み・植え替え可。 芽つみ は秋まで2~3回ほどが目安
古葉をすかして風通しをよくしておく。秋まで 芽つみ 続行
山もみじ 針金の食い込みに要注意。不要な二番芽は早めにかき取る
葉刈り と同時に植え替えも可能。針金の食い込みに要注意
けやき 葉刈り 後は二番芽が出そろうまで肥料を避ける。梅雨明けまで 取り木 の適期
ぶ な 不定芽 の処理は早めに。 新梢 を使って 呼び接ぎ 可能
いぼた 芽つみ 。二番芽が強く走る場合は再度切り戻す
梅もどき 6月頃開花。開花中に雄木と交配する。針金の食い込みに要注意
かりん 実が止まったら肥培スタート。6月は 取り木 適期。針金は食い込む前にはずす
ピラカンサ 開花中は雨に当てない。若木は新芽を1~2節に切り込んで枝づくりに専念
姫りんご 捨て枝に勢いを逃しながら、長く伸びた新芽を3~4節で止める
つる梅
もどき
5~6月に開花。枝づくりに専念する場合は6~7月に 葉刈り 可能
老爺柿 実生 苗の曲付け適期。針金をかけて苗床から独立させる。枝の針金かけも適期
まゆみ 5~6月開花。結実には雄木との交配が必要
くちなし 6月開花。他のくちなしの花と人工交配すると結実率が高くなる
きんず 5~6月は取り木の適期。梅雨中は挿し木適期
美 男
かずら
葉が大きく水を好むので水切れは絶対厳禁
さつき 花後はお礼肥を与えて1週間休め、6月中に花後の剪定を終える

7月~8月の管理レシピ

MENU
●夏管理 ●杉・杜松の芽切り ●新梢の針金はずし
●二番芽の処理 ●呼び接ぎ  
●小品黒松の芽切り ●五葉松・瑞祥の植え替え  
真夏の管理方法
 梅雨が明けると、一気に鉢土の乾燥が早まります。いつもは出かける直前にすましていた水やりも、少し早起きしてその時間を作らなければなりません。一日に3回の水やりができれば、ほぼ水切れで枯らすことはありません。でも、そうはいかないのが勤め人のつらいところ。朝夕2回の水やりだけで、この夏を越さなければなりません。決して無理なことではありませんが、それなりの対策はしておかなければならないでしょう。
 まず直射日光に弱い樹種を半日陰の場所へ移動します。蝦夷松、さつき、アジサイ、紅葉を楽しみたい樹種などです。 寒冷紗 (かんれいしゃ)などの設備があれば一番ですが、なければ塀や棚下、よしずなどを利用して、午後2時以降の西日をカットできるようなところにおきます。
 次に一日中しっかり陽にあてなければならない樹種の内、水切れに弱いもの、乾きの早い鉢などをなるべく同じところにまとめておきます。これで水やり作業がずいぶん単純化されます。
 小品盆栽は浅いコンテナなどに砂利を敷き詰め、そこに半分くらい鉢を埋めるようにしておけば、かなり水切れが防げます。
 そうした上でまだ水保ちに不安がある樹は、大きめの駄温鉢に埋めて二重鉢にしたりして対応すればよいでしょう。表土に水着を敷き詰めておくだけでもかなり水保ちがよくなります。
 根が原因で起こる生理障害は、葉先から症状が現れます。葉の先端が茶色くなってきたら根が傷みはじめていると考えてよいでしょう。
 水切れなどによって生理障害を生じた樹は、半日陰に移動して鉢を傾け、 葉水 を主体に管理します。いつも以上にたくさんやりたくなるのが人情ですが、根が傷んでいるので、通常より吸収力が低下しています。ドボドボと水をかけてもなかなか鉢土が乾かず、かえって根の状態を悪化させるだけなので、水のやりすぎに注意しなければなりません。


■樹種別作業・管理ポイント
美男かずら  交配
 美男かずらは7~8月の暑い時期に開花します。雌雄異株または同株。下垂して下向きに咲くので自然交配しにくく、人工交配で結実させます。雄花は早期に開花し、日が昇るともう花粉に勢いがなくなるので、朝5時くらいに起きて花を採取し、雌花の開花を待って交配します。同じ樹の花粉でも結実しますが、別の樹の花粉の方が結実率が高まります。雌しべにまんべんなく花粉をつけないと、丸いきれいな実になってくれないので要注意。

かりん  摘実
 かりんは樹全体に実を付けるのではなく、1本に3~4個もあれば十分ですから、バランスをよく考え、不要な実は早めに整理しておきます。

ぶ な  葉切り
 ぶなは二番芽が出そろいにくい樹種なので、 葉刈り を行いません。そのかわりに、外周部の大きな葉を半分くらいに切って、フトコロ芽に風や日光が当たりやすいようにしておきます。

7月~8月のワンポイントアドバイス
黒松 7月前半、小品盆栽の 芽切り 。二番芽が出たらやわらかい内に芽かきする。
五葉松 蒸れに弱いので、鉢と鉢の間隔を広くとる。 葉水 は夕方になってから
真 柏 新芽が伸びれば芽つみする
蝦夷松 水を好むので水切れ厳禁。関東以西は 寒冷紗 で西日を防ぐ
赤 松 しっかり陽に当てる。二番芽は早い内に処理する
杜 松 水切れ厳禁。水もたれする樹は鉢を傾ける。葉水の励行
芽つみ続行。水をよく好む樹種なので、他樹種よりも水を多めに
山もみじ 7月前半まで 葉刈り 可能。紅葉を楽しみたいのなら葉灼けを避ける
7月前半まで 葉刈り 可能。コブになる前に二番芽を整理する
けやき 葉刈り 徒長枝 の切りつめができる。小枝の方向修正くらいなら針金かけも可
ぶ な フトコロ への日照・通風をよくするために大きな葉を切って小さくする
いぼた 芽つみ後の二番芽を整理
梅もどき 枝づくりに専念する場合は7月前半まで 葉刈り 可能。実が付きすぎたものは適当に間引く
かりん 針金の食い込に要注意。定期的な薬剤散布で病害虫を駆除する
ピラカンサ 結実したものは特に水切れ厳禁。小枝の針金かけ可能
姫りんご 定期的な薬剤散布で病害虫予防。葉灼けさせないようにする。
つる梅
もどき
不要な ヒコバエ は早めに切断する。多すぎる実は間引く
老爺柿 小枝への針金可能。枝の切り返しもできる。
まゆみ 葉灼けに注意し、しっかり水やりする
くちなし 水切れに注意する
きんず 徒長枝 を切りつめる。小枝の針金かけ可能
美 男
かずら
水切れ厳禁。開花したら早朝5~6時頃に人工交配
さつき 品種によっては西日を 寒冷紗 でさえぎることも必要

8月~9月の管理レシピ

MENU
●夏期管理 ●五葉松の植え替え ●台風対策
●新梢の針金はずし ●秋の肥培  
●杉・杜松の芽つみ ●二番芽の処理  
秋の肥培方法
 春の肥料が 新梢 の生長を促すものだったのに対し、秋の肥料は樹体の充実と、冬越しの体力を蓄えるために与えます。翌春の芽吹きの勢いも、秋の肥培具合によって異なってきます。
 とはいえ、たくさん肥料をやればよいというものではけっしてありません。肥料は樹の体力を補うための二次的な感覚で捉えた方がよいでしょう。もちろん基本は、十分陽に当てしっかりと水を与えて、基礎体力を付けることです。
 8月下旬、または9月に入ったあたりから肥料を与え始めます。最初は標準的な玉肥を5cm間隔くらいで鉢縁に並べる程度にします。10月の肥料はもう少し増やしてもよいでしょう。
 玉肥の交換は1ヶ月から40日が目安です。それ以上置いておいても肥料カスが増えるばかりなので、定期的に交換します。9月に1回、10月に1回、11月に1回の合計3回が秋の肥料となります。
 肥料を多く必要とするのは黒松、それも芽切りした樹です。それに比べると五葉松はやや控えめ、文人木のような枝先のゴツさを嫌う樹形はもっと控えめとなります。結実した実もの樹種のなかでも、かりんやざくろ、仏手柑など実が大きなものは、肥料も少し多めにします。
 基本的に若木や養成木ほどしっかりと肥培します。完成に近い樹の場合は、幾分控えめにしておかなと、不要な芽が走ったりして枝先のバランスを崩してしまいがちです。
 夏バテしたり根詰まり気味で元気のない樹には、施肥を避けておいたほうが安全でしょう。秋の紅葉を楽しみたい樹種、たとえばもみじや楓などの完成木も肥料を避けておきます。

台風対策
 9月に入ればいよいよ台風シーズンです。早いときには8月中に台風がやってくる場合もあります。大切な樹や鉢が損なわれないよう、早めに対策を立てておかなければなりません。
 根が動くと樹が傷むので、樹と鉢とを十分に固定しておきます。ビニール紐などで十文字にくくっておくとよいでしょう。その上で、鉢ごと吹き飛ばされたりしないように、鉢を棚板に固定しておきます。
  懸崖 や吹き流しなどの不安定な樹は、風が直接当たらない場所へ移動しておいたほうがよいでしょう。小品盆栽もかためてかごに入れ、台風情報にあわせて移動しやすいようにしておきます。
 強烈な場合は棚板自体が動いてしまうこともあるので、まず置き場を補強しておくことも忘れてはなりません。
 台風通過後は、樹の洗浄をかねて多めに水をかけてやります。とくに海に近い地方では、台風が運んできた塩分を洗い流すために、かならず幹も葉も鉢の中も、十分に水をかけておきましょう。


■樹種別作業・管理ポイント
五葉松  古葉落とし
 夏を過ぎれば、枝に残っていた前々年葉が茶色くなってきます。一昨年の葉ですから、もう付いていない樹もあります。もし残っていて茶色くなるようなら、不要な葉ですからゆすり落としておきましょう。

黒 松  二番芽の芽かき
 8月に入れば、芽切りした樹の二番芽がはっきりしてきます。いくつもかたまって吹いた部分が出てくるので、方向のよい芽だけを残し、不要な芽はかき落としておきます。水平に出た、同じような大きさの2芽を残すのが基本です。

 若木
 若い素材を枝骨づくりから始める場合には、春の芽出し時期か、秋の9月15日から10月15日の間に作業します。それ以外の時期はハサミ傷みする可能性が高く、愛好家向きではありません。
 ある程度 枝骨 ができた樹の 切り込み も、秋にやったほうが傷みが少ないのでおすすめです。
 最初に仕上がりの輪郭を想定し、 芽切り します。それから針金をかけて枝骨の方向を整えながら、強すぎる小枝や方向を修正し、強すぎる小枝や方向の悪い小枝を切りすかします。太枝はよほどぶつかり合うところ以外は抜かず、なるべく長い間残しておきます。あまり早い時期に枝を決め、不要な枝を全部はずしてしまうと、幹がなかなか太ってくれません。
 整姿後は葉にたっぷりと霧水をかけてから外に出していきます。

8月~9月のワンポイントアドバイス
黒松 水平に出た平均的な強さの2芽を残して芽かきする
五葉松 8月下旬から 剪定 ・針金かけができる。植え替えも可能
真 柏 9月いっぱいで 芽つみ を終える。蒸れを防ぎ 葉水 を励行
蝦夷松 残暑が残る間は西日をなるべく避け、風通しのよい場所に置く
赤 松 黒松同様、早めに二番芽を処理する。茶色くなった古葉を取る
杜 松 9月いっぱい、または10月初旬まで 芽つみ を続ける。蒸れに注意
若木の剪定適期。完成木は9月下旬に最後の 芽つみ
山もみじ 9月中旬から秋の肥培開始。紅葉を楽しむのなら肥料は避ける
9月中旬から秋の肥培を開始。殺菌・消毒を定期的に行う
けやき 徒長枝 の切りつめ、二番芽の芽かき。肥料は控えめ
ぶ な 土用芽が伸び始める、不要なら早めに切り取る
いぼた 実を確認しての 徒長枝 の切りつめ
梅もどき 実を確認しての 徒長枝 の切りつめ。不要な ヤゴ芽 は早めに切り取る
かりん 秋の植え替えは9月に入ってから。水切れ厳禁
ピラカンサ 9月に入ったら秋の植え替え可能
姫りんご 9月に入ったら植え替え可能。結実したものは水切れ厳禁
つる梅
もどき
鳥害注意。水切れ厳禁
老爺柿 秋の肥培を開始。不要な ヤゴ芽 は早めに切除する
まゆみ 水切れ厳禁。高温多湿期は殺菌剤を定期的に散布
くちなし 水切れに注意
きんず 水切れに注意
美 男
かずら
水を好むのでとくに水切れ厳禁
さつき 9月に入ったら秋の1回目の肥料を置く。葉ダニ、シンクイムシの予防

9月~10月の管理レシピ

MENU
●台風対策 ●固定用針金の切断 ●ぶな秋芽の処理
●秋の肥培 ●草ものの植え替え ●杉・杜松の最終剪定
●秋の植え替え ●取り木切断 ●黒松の葉すかし
季節の変わり目の管理
 夏から秋へと移行する時期です。9月中はまだ西日が強く、水がよく乾きます。でも朝夕は日増しに気温が下がり、涼しい風が吹くようになります。
 このころは人間でも体調を崩しやすく、気候の変化に自律神経がついていきにくいという状況になります。植物の方はよくしたもので、おそらく人間よりも敏感に季節の変化をとらえ、秋、そして冬の準備に入ります。でも、夏越しがうまくいかなかったり体力不足の樹は、徐々に水の吸い上げ力が弱まったりします。
 ですから弱った樹の出す注意信号を見逃さず、日陰に取り込んだり、乾燥具合に合わせた水やりをしなければなりません。特に水切れなどで根を傷めてしまった樹は、水をやりすぎると根腐れてしてしまうので、葉水主体の潅水に切り替え、用土の表面が白く乾くのを確認してから、たっぷりと 根水 を与えるようにします。

秋の植え替え
 バラ科の樹種は、大根を切断するとそこから根頭がん腫病という病気に冒されやすいので、病菌の活動が活発な春よりも、病菌の活動の少ない秋に植え替えるほうが一般的です。長寿梅やぼけが有名ですが、そのほかにもピラカンサや野ばらなどたくさんのバラ科樹種が秋に植え替えできます。

長寿梅の植え替え


■樹種別作業・管理ポイント
さつき  秋の剪定
 花後に吹いた二番芽がたくさん増えている頃です。下向きに伸びたり逆向きに走った芽は、9月から11月の間に処理しておきます。また、不要な芽を残しておくと風通しや日照が悪くなるので、強すぎる芽や小さすぎる芽をすかして、フトコロの環境を改善しておきます。同時に針金をかけて小枝の方向を修正することもできます。ただし作業後に休眠期がやってくるため、樹勢の弱った樹は春まで作業を見送った方が安全です。

五葉松  古葉切り
 10月に入ったら、フトコロ芽の維持と芽力の調整をかねて、古葉を取ります。黒松のように葉を引っ張って抜くと樹皮を傷めることがあるので、ハカマの少し先でハサミを使って切り取ります。残ったハカマはいずれも自然に落ちてくれます。

9月~10月のワンポイントアドバイス
黒松 二番芽が開いてかたまったら前年葉をすかして 樹勢 を調節する
五葉松 9月に前々年葉を落とし、10月に前年葉を切り落とす。針金かけ可能
真 柏 9月いっぱいで 芽つみ を終え、その後吹く芽で冬を越す
蝦夷松 残暑が残る間は西日をなるべく避け、風通しのよい場所に置く
赤 松 9月下旬から10月前半にかけて古葉をすかす
杜 松 10月初旬に最終 芽つみ を終え、その後に吹く芽で冬を越す
9~10月は若木の 剪定 適期。完成木は9月下旬に最終芽つみ
山もみじ きれいに紅葉させるには、肥料を切り、朝夕の寒さに当てること
秋の肥培。外周部の大きな葉は葉刈りしてもよい
けやき ごく強い枝や長い枝を 剪定 するくらい。肥料は控えめ
ぶ な 強い 不定芽 が伸びることがあるので、不要なら早めに切り取る
いぼた 実を確認して 徒長枝 の切りつめ
梅もどき 実を確認しての 徒長枝 の切りつめ。不要な ヤゴ芽 は早めに処理。鳥害注意
かりん 肥培に力を注ぐ。水切れ厳禁
ピラカンサ 秋の植え替え。 徒長枝 の切りつめ
姫りんご 秋の植え替え。結実したものは水切れ厳禁
つる梅
もどき
鳥害注意。水切れ厳禁
老爺柿 肥培。不要な ヤゴ芽 は早めに切除
まゆみ 水切れ厳禁
くちなし 水切れに注意。消毒の励行
きんず 水切れに注意。しっかり肥培して日に当て、冬越しに備える
美 男
かずら
水切れ厳禁。肥培しておかないと花の雌雄に片寄りが出る
さつき 秋の 剪定 。消毒励行

10月~11月の管理レシピ

MENU
●黒松の葉すかし ●雑木・落葉前後の剪定 ●秋の植え替え
●真柏・五葉松の針金かけ ●秋の肥培  
●杉の剪定 ●さつき・秋の剪定  
雑木・秋のせん定
 雑木の秋の切り込みは落葉直後が作業適期です。完全に落葉してから1週間~10日ほどたつと、山もみじなどは切り口から水を吹くので、それまでに剪定しなければなりません。作業適期が短いので、ある程度紅葉を楽しんだら、人為的に葉を切り落として剪定作業に入るというのもひとつの手です。
 葉がなくなって枝の状態がよく見えるようになったところで、まず枯れ枝や切り残しなどをきれいに切り直しておきましょう。さらに、不要な枝を剪定し、長い枝は枝元から2~4節を残して切りつめます。やさしい枝を実現するためには、ゴツくなった強すぎる枝を切るのが基本です。
  切り込み 後の切り口は小刀などできれいに削りなおし、 癒合剤 を貼り付けて保護しておきます。同時に、古い切り口も 肉巻き 状態を確認し、必要があれば削りなおしたり、 癒合剤 を張り直しておきましょう。もう少しで肉が巻ききるという部分は癒合剤を取り除き、傷口が癒合剤を飲み込まないようにします。
  不定芽 の処置も忘れてはなりません。不要な芽は早めにかき取っておき、下向きに走った小枝や、他の小枝と交差するもの、逆方向に伸びるものなど、見逃さずに切除します。
  剪定 後は、必要ならば針金をかけて小枝の方向を整えます。この針金かけは翌春までかけたままにしておきます。
 深めに切り込んだ樹や針金をかけた樹は冬の間 ムロ などに取り込み、枝を凍らせないように保護します。

山もみじ・落葉後のせん定


■樹種別作業・管理ポイント
黒 松  葉すかし
 葉すかしは 芽切り などと連動して樹勢を調整したり、フトコロ芽を維持する重要な作業です。
 6~7月の 芽切り 時にある程度葉数の調整をしているので、秋に残っているのは去年の葉が数枚と、ようやくしっかりしたばかりの今年二番芽の葉ということになります。
 これらの葉を、芽の強弱にあわせて、強いところは少なく残し、弱いところは多く残して調整します。
  樹勢 操作として効果があるのは10月までで、10月にできなかった場合は翌春まで作業を延期します。

 秋の剪定
 紅葉を鑑賞し終わったら、葉を取り去って 剪定 します。 不定芽 の処理を忘れてコブごとごっそり切り取ってきれいに削りなおしておきましょう。

梅もどき  鳥害対策
 赤い実が鳥の目を引きます。せっかくなったのですから、鳥に食べられてしまわないよう、網をかぶせたり鳥よけを置くなど、事前に鳥対策をとっておきましょう。

10月~11月のワンポイントアドバイス
黒松 葉すかしをするならなるべく早いうちに。時期が遅れたら翌春に回す
五葉松 10月に前年葉を古葉切りする。針金かけ可能
真 柏 針金かけができる。枝を広げて下向き枝などを切除
蝦夷松 水切れ注意。肥料は10月で終わりにする
赤 松 葉しかしは10月前半までに。針金かけもそのころまでに終えよう
杜 松 10月初旬には最終 芽つみ を終え、その後に吹いた芽で冬を越す
若木の 剪定 は10月中可能。鉢回しを励行する
山もみじ 屋外でしっかり朝夕の冷気に当て、きれいな紅葉を促す
10月前半は肥培につとめ、紅葉を鑑賞したら小枝の 剪定
けやき 目立つような強い小枝は 剪定 しておく
ぶ な 強い夏芽は早めに切り取る
いぼた 実を確認して 徒長枝 の切りつめ
梅もどき 実を確認しての 徒長枝 の切りつめ。鳥害注意
かりん 10月は肥培につとめ、水切れに注意する
ピラカンサ 秋の植え替え。 徒長枝 の切りつめ
姫りんご 秋の植え替え。結実したものは水切れ注意
つる梅
もどき
鳥害注意。水切れ厳禁
老爺柿 強い小枝の 剪定 ならできる。枝先を整える針金かけも可能
まゆみ 水切れ厳禁
くちなし 引き続き消毒励行
きんず 鉢回しを励行し、十分日に当てる
美 男
かずら
10月いっぱい肥培につとめる
さつき 秋の芽すかし。消毒励行。小枝の針金かけも軽くならできる

11月~12月の管理レシピ

MENU
●雑木の剪定 ●ムロ入れ
●幹洗い ●棚洗い  
●冬季消毒 ●ジン・シャリづくり  
冬季保護の要点
 冬期の保護管理で1番ありがちな失敗は水切れです。しかも春になるまでに水切れさせたことに気付かない場合が多いので要注意。 ムロ の中に取り込んでいる樹は、手前側ばかりに水がかかり、奥側の枝だけがあがってしまうことがあります。前からも後ろからも、まんべんなく水をかけるように心がけましょう。また、 ムロ 内であってもやはり鉢ごとに乾きの差が生じます。水やりは5日に一度でも、毎朝乾き具合をチェックする習慣だけは忘れずに続けましょう。
 棚下や棚上など、屋外で管理する樹にとっての大敵は、鉢の中の凍結と乾いた風、それに強い風によって起こる急激な温度低下です。ですから北風を遮っておけばかなりの事故を防ぐことができます。特に蝦夷松や杜松など、寒さに強いけれども乾燥に弱いという樹種は、風対策が欠かせません。さらに、冬とはいえ晴れた日には予想以上に土が乾燥します。鉢土の乾き具合を確かめた上で、しっかりと水をやることが大切です。
 冬期保護に特別な秘訣はありません。要はしっかりと休眠させ、春になったら気分良く目覚めさせてやること。自然の摂理に沿った管理に心を配ることが基本です。

冬期消毒
 休眠期に入ると高濃度の 石灰硫黄合剤 をかけても薬害が出ないため、 ムロ 入れ前に冬期消毒を行うのが常識化しています。 石灰硫黄合剤 は浸透性があり被膜をつくるので、樹皮の間に産み付けられた害虫の卵やカイガラムシなどの駆除に効果があります。だいたい10倍から50倍くらいの溶液を散布するようです。鉢土の中に薬剤が入ってしまわないよう気を付け、枝葉の裏側にまでまんべんなく散布します。
 しかし、薬剤散布以前に、まず幹や枝を洗浄しましょう。これだけでも病害虫駆除にかなりの効果があるはずです。中には洗浄だけで石灰硫黄合剤の散布はしないという業者さんまでいるくらいです。同時に棚を洗って、棚場を囲む庭木に殺虫剤をかけておけばより安心です。
  石灰硫黄合剤 をかけたら、1週間から10日くらい外においた後 ムロ へ取り込みます。気温が高い時に散布すると薬害を生じるおそれがあるので、寒くなってからの散布になります。結局、いったん霜が降りてから消毒を行い、さらにしばらく寒さに当てて、樹が十分冬を確認したところでムロ入れという運びになります。


■樹種別作業・管理ポイント
真 柏  ジン・シャリの彫刻
 作業が一段落ついた冬の間に、 ジン・シャリ をきれいに削りなおしておくと良いでしょう。
  挿し木 素材などの丸幹に シャリ を刻む場合は、不要な枝やすでにある枝 ジン などを起点として彫刻を始めるほうが安全です。水吸いを完全に断ってしまわないように、しっかりと計画を練ってから作業にあたります。
 はじめての人は、最初に切り目を入れておき、春になってからも枝枯れなどの支障が出ないことを確認してから、おもむろに樹皮をはがし始めるといった手順を取ったほうが安全でしょう。

黒 松  整姿・剪定
 春までの期間なら、軽い剪定から大きな改作まで、基本的にはどんな作業でも可能です。ただし作業後は ムロ などへ保護することが前提になります。 ムロ などの設備がない、あるいは冬期保護に不安があるという人は、3月ぐらいまで我慢して、保護期間が短くなってから作業します。
 何事につけ春の彼岸頃が作業適期といわれるのは、後管理が楽だからという理由のためなのです。管理面にさえ自信があれば、冬はいろいろな作業ができます。なお、水上げがかなり低下しているため、枝が折れやすい点だけは十分留意しておきましょう。

ピラカンサ  葉刈り
 常緑樹ですから冬でも葉がついています。この葉をすべて付け根近くから切り落して ムロ 入れすると、翌春の芽吹きが良くなります。フトコロ芽を増やしたいときなどに有効な手段です。

11月~12月のワンポイントアドバイス
黒松 基本的には屋外で管理。 石灰硫黄合剤 で冬季消毒。遅れた葉すかしは翌春に回す
五葉松 基本的には屋外で管理。晩秋に針金をかけたものは要保護。雪害に注意する
真 柏 寒さに強く、屋外で管理できる。展示会出品予定のものは霜にあてないよう軒下に取り込む
蝦夷松 寒さに強いが乾燥した風に弱い面があるので、北風を防いで管理する
赤 松 基本的に屋外で管理。枝がさくいので、雪などによる枝折れに注意する
杜 松 屋外で管理する。水切れに要注意。霜焼けは気にしなくても良い
屋外で管理する。水切れ注意。 石灰硫黄合剤 で消毒する
山もみじ 落葉後が剪定適期。 ムロ 入れ前に幹を洗う
関東以北や小枝のできたものは冬期保護が必要。しっかり休眠させる
けやき 落葉直後に小枝を整理し、冬期消毒をして軒下に入れる
ぶ な 幹洗いと冬期消毒。ゆずり葉は無理に落とす必要はない
いぼた 石灰硫黄合剤で消毒して ムロ に取り込む
梅もどき 多すぎる実は適当に間引き、軒下などに取り込んで霜を除ける
かりん 比較的寒さには強いが、凍結は防ぐこと。冬期消毒は必ず行う
ピラカンサ 小枝を増やしたいなら葉をすべて刈り取って ムロ に取り込む
姫りんご 軒下などに取り込んで凍結を防ぐ。冬期消毒励行
つる梅
もどき
しっかり寒さに遭わせた後に ムロ へ取り込む
老爺柿 比較的寒さには強いが、凍結は避ける。種子採取の適期
まゆみ 冬期はムロ内か軒下で保護。幹洗い励行
くちなし 暖地性で寒さに弱いので、他樹種より少し早めに ムロ へ取り込む
きんず 暖地性で寒さに弱いので、他樹種より少し早めに ムロ へ取り込む
美 男
かずら
寒さには弱くはないが、 ムロ へ取り込んでおいたほうが安心
さつき 霜、凍結を避ける。秋に針金をかけた樹は ムロ で保護する

12月~1月の管理レシピ

MENU
●冬季保護 ●松柏類の剪定・針金かけ
●年間作業計画立て ●棚板の洗浄  
●ジン・シャリの彫刻  
<寒さに弱い樹>
 ◆植え替え直後の樹
 ◆針金直後の樹
 ◆暖地性樹種(きんず・くちなし・ざくろ)など
 ◆小枝の多い樹

<寒さに強い樹>
 ◆松柏類(黒松・五葉松など)
 ◆落葉樹の若木(まだ小枝ができていない段階)

冬季保護  -過保護にしないこと
 中部地方や近畿地方では12月下旬くらいからムロ入れをはじめます。 ムロ に取りこむ必要があるのは、南国産で寒さに弱い樹種や、晩秋に針金かけなどの作業をしたもの、それから小枝が密にできている雑木などです。
 寒い地方では、もっと早めにムロ入れがすんでいるでしょう。東海地方や四国・九州南部など暖かい地方では、 ムロ 入れしなくてよいところもあります。
 基本的には、鉢土を凍結させない、樹を凍てつかせないというのが保護の目的です。ですから、本格的なムロ設備のない人でも、軒下や棚下など霜や凍結を防ぐようにすればそれで結構です。凍結の不安がない地方では保護の必要もありません。
 保護に入る前に1~2回寒さに当てて、樹に冬がきたことを確認させておきます。あまり早く取り込みすぎると体調を狂わせることがあります。樹には環境への順応性がありますから、あまり過保護にする必要はありません。

屋外の管理は・・・・
 松柏類や寒さに強い雑木は外で管理します。屋外の脅威は、まず風、そして凍結です。冬の空気は非常に乾いており、北風が吹くと、思った以上によく鉢土が乾きます。冬だからと油断していると水切れさせてしまうので、注意が必要です。
 鉢内の水分が凍結すると根を持ち上げ、根と用土の間に隙間を作ってしまいます。夜間に凍結しても午前中にとけてしまうようならそれほど問題ありませんが、午後まで残るようなら水切れの心配も出てきます。水やりの際に鉢の中の霜が溶けるよう、気を配りましょう。
 凍結によって鉢が割れる事故はよく起こるので、よく晴れた日、放射冷却で冷えることが予想されるようなときには、大切な鉢は取り込むようにします。


■樹種別作業・管理ポイント
真 柏  ジン・シャリの彫刻
 真柏の木質部を彫刻するのはこの冬場が最適です。ノミや小刀などで荒削りした後、ていねいにペーパーをかけて磨き上げます。
 仕上げに 石灰硫黄合剤 (せっかいいおうごうざい)の原液を塗布しておきますが、白く見せたいなら白い絵の具をちょっと混ぜてやるとよいでしょう。
 丸幹の真柏を シャリ 幹にする場合は、どこで シャリ を作るかを考えて幹に印を入れておきます。最初はなるべく細い シャリ を考えたほうが安全です。幹模様に合わせて彫刻すると自然に見えます。
 安全策を取るのであればまず、印に合わせてカッターの先など切り込みを入れておき、春を待ちます。生長期になっても枝に影響が出ないのを確認してから、皮をはぎます。

五葉松  針金かけ
 休眠期の間はずっと針金かけができますが、作業後は枝が凍てつかないように軒下などに取り込まなければなりません。保護管理に不安がある人は3月になるまで待ったほうが安全でしょう。

もみじ・楓  冬季消毒
 休眠中は 石灰硫黄合剤 (せっかいいおうごうざい)の濃いめの溶液をかけることができるので、消毒には最適の時期です。10~30倍くらいの液を樹皮に塗り、下や割れ目に眠っている害虫の卵が春に孵(かえ)るのを防ぎます。

 開花促進
 開花 時期は品種や樹勢などによって多少異なりますが、だいたい1月~2月初旬くらいになります。
 お正月に飾りたくて開花を早めたい場合は、玄関などあまり温度の上がらない室内に取り込み、つぼみに霧吹きで水分を与えてやります。

12月~1月のワンポイントアドバイス
黒 松 針金かけ可能。作業後の樹は軒下に取り込んで凍結を防止する
蝦夷松 乾燥した風に弱いので、北風をさえぎれるところに置く
赤 松 休眠中は枝が裂けやすいので、活動期に入るまで作業を待つ
杜 松 ジン・シャリの彫刻可能。針金かけは避けたほうが安全
耐寒性が高いので、棚に出しておいても大丈夫
けやき 小枝が細かいので凍て傷みしやすい。 ムロ などに取り込んでおく
ぶ な 小枝の剪定などできるが、作業後は、 ムロ に取り込んでおく
いぼた 小枝が細かいので ムロ などに取り込んでおく
梅もどき 関東以北は ムロ に取り込む。冬期消毒のチャンス
かりん ある程度寒さには強いが、軒下などに取り込んで凍結を防止する
ピラカンサ 日当たりの良い場所に置き、北風をさえぎっておく
姫りんご 実の鑑賞がすんだものは早めに取り去る。比較的寒さには強い
つる梅
もどき
凍て傷みしやすいので軒下などに取り込んでおく
老爺柿 寒さにわりと強いので、凍結さえしなければ大丈夫。
ムロ があるなら植え替えもできる
まゆみ 関東以北では ムロ に取り込む
くちなし 寒さに弱いので、 ムロ など取り込む。
ビニールハウスでは温度を一定に保つこと
きんず ムロ で保護。シワシワになる前に実をとってしまう。
美 男
かずら
北風をさえぎった日当たりの良い場所におく
長寿梅 軒下に取り込む。鉢土の凍結に注意。根が持ち上がりやすい
さつき 霜が当たらない程度の保護をする。多すぎるつぼみはこの時期に間引いておく